【連載小説】今日も女子校は平常運転

A Girls' School Comedy: Girls and Mistress, and Days

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第87話 カッペリーニ事件

りりあ大激怒の翌日。 談話室には、ひばりとせいら、そして少し離れた席で玲音。 約束通り、せいらがひばりの眉毛を整えていた。 玲音は「女子力を学ぼう」と、ノートを片手に見学中。 せいら「ほら、あんたの顔はね……まっすぐ系のほうが似合うのよ。最近は…

第86話 世界は怒りの炎に包まれた

その日の夜。 談話室でだらだらと夜まで過ごした4人は、オンライン通話で帰宅したりりあと合流した。 画面に映ったりりあは、にこにこ顔でこちらを覗き込んでくる。 りりあ「ねぇねぇ〜♡ 今日はどこ行ったのぉ?お土産話あるでしょぉ〜?♡」 問いかけに、4人…

第85話 「なにもない」がここにある

休日の午後。 りりあは家の用事で不在。 予定していた試験打ち上げ遠征は取りやめとなり、4人は談話室でだらりと時間を過ごしていた。 ひばりはソファで寝そべり、玲音はその横で航空力学の教本を開く。 ページはほとんど進んでいない。 こたつには、せいら…

第84話 なんとかできる人は、なにもしなかった

──春の気配がにじむ朝。 校門前でりりあが合流し、五人そろって教室へと歩を進める。 玲音(歩きながら、確認するように)「皆さん、昨日お伝えした“面接対策”、復習しておいてくださいね」 ひばり「(気合の表情)ウス……じゃなくて、です!」 せいら「(ピ…

第83話 なんとかなる(なんとかできる人に限る)

第一日目、小論文試験――終了。 夜。談話室には、今日を乗り越えたメンバーたちの姿があった。りりあもオンラインで参加中。 みう「つ、疲れましたぁ~……♡」 せいら「90分ってあんなに長いのね……。途中で自分を見失いそうになったわ」 ひばり「ウチ、途中で“…

第82話 進級試験とAI玲音

――何気なく届いたプリントが、すべての始まりだった。 ひばり「進級試験……?」 せいら「えっ…ウソ、自動的に2年になれるんじゃないの?」 玲音「(静かに目を伏せる)……学校をなんだと思っているんですか」 ふたり「さーせん……」 玲音「一応、出席日数と課題…

第81話 進路希望と玲音AI疑惑

【2月下旬・談話室】 机の上に進路希望調査のプリントを並べ、 なぜか全員で進路を決める会議が始まっていた。 (りりあはオンライン参加) 誰も「これ、自分の将来なのに会議するのおかしくない?」とは言わない。 というか、玲音以外、誰も気づいていない…

第80話 火サスの黒曜石

――バレンタインデー当日。 朝から妙なざわつきが学園を包んでいた。 理由はただ一つ―― 「玲音ちゃんが昨日、手作りチョコを作ったらしい」 その噂は瞬く間に一部の学生の間で拡散し、 午前中にはすでに「火サス」のテーマが聞こえてきそうな殺伐モードに突入…

第79話 手作りチョコのゆくえ

せいら「あっつ!あっつぅ!!」 熱したボウルを思わず持ち上げ、両手をぶんぶん振るせいらの悲鳴が、調理実習室に響き渡る。 玲音「……だから言ったではないですか、布巾越しで持つようにと」 せいら「わかってたけど!あたしの気合が勝ったのよ!!」 玲音…

第78話 チョコより先に私が溶けそう

【2月上旬・放課後・調理実習室】 せいら「……なんであたしたち、学校の調理実習室まで借りてチョコ作ってんの……?」 玲音「……せいらさん、完全に“引くに引けなくなった感”ありますね……。私も、内容をちゃんと聞いていれば……」 せいら「……もはや後戻りなんて…

第77話 女子校に男がやってくる!?

──その日、平和な昼下がりの学食に突如として響き渡った叫びが、すべての始まりだった。 ひばり「この学園、共学化するんスか!?(絶叫)」 学食の壁にぺたりと貼られた一枚のチラシ。 その文字に目を留めたひばりの声は、瞬く間に食堂全体に波紋を広げてい…

第76話 祝勝会。そしてカロリーゼロ理論再び

百人一首大会当日―― みうのセクシー読み上げで盛り上がった大会は、 ひばりの準優勝という快挙で幕を閉じた。 放課後の談話室。 せいら「ひばりが活躍するって、珍しいわね。あ、褒めてるのよ?」 ひばり「なんでちょいちょい刺すんスか!?“チクチク言葉使…

第75話 百人一首とスピードスター

──ある日、みうが掲示板の前で足を止めた。 みう「この学園、百人一首大会があるんですねぇ〜」 玲音「あ、本当ですね。……私、一応全部覚えてますよ。かるた取りは得意ではないですが」 せいら「……私、一句も知らないわ。この大会、座ってるだけになりそう………

第74話 決戦は金曜日

──ついにやってきた、真冬の身体測定当日。 教室を出て廊下を進む5人のうち数人の足取りは、処刑場へ向かう囚人たちのそれ。 【測定会場・体育館】 先生「はい、次の人――ひばりさん、どうぞ」 ひばり「はいッス……(緊張MAX)」 体重計の数字を見たひばりの顔…